近年、高齢者が増えて、孤独死をするケースが増えています。孤独死をすると、発見が遅れる可能性も高く、結果的に死臭が残ることも少なくありません。染み付いた死臭はなかなか消せないため、処理に困る人も多いでしょう。
今回は、死臭の消し方と手順を詳しく解説します。
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死臭とはどんな臭い?甘い?
人が亡くなると、内臓が機能しなくなり、すぐに腐敗が始まります。これがいわゆる「死臭」と呼ばれる臭いの元です。
頻繁に嗅ぐ臭いではないため、イメージができない人も多いでしょう。わかりやすくいえば、肉や魚が腐敗した臭いです。また、チーズや生ごみが腐敗した臭いという人もいます。
しかし、実際は人間の体の大きさに臭いが比例するため、これらの言葉では例えようのない臭いです。
遺体処理をする作業員は防護マスクを着用するほどで、防備なしでは耐えられないでしょう。死体には虫が寄ってくるため甘い臭いなのではと思う人もいますが、人間にとっては非常に強烈であり腐敗臭が適切な表現です。そのため、甘い臭いと感じる人は少ないでしょう。
死臭はいつから?生前から?
死臭が発生するのは、夏場で2〜4日程度、冬場であれば5〜8日程度とされています。とはいえ、亡くなった部屋の温度や陽の当たり具合、湿度などの条件により死臭の発生時期は一概にはいえません。
例えば、冬場の寒い時期だとしても、暖房の効いた部屋で亡くなれば、一気に腐敗が進みます。
また、死臭は生前から出るものではありません。ただし、終末期になると、元気な頃とは異なる臭いが発生します。
例えば、尿便失禁による臭いや病気特有の臭いが挙げられるでしょう。卵が腐敗したような口臭がある人は、胃腸の病気である可能性があります。
その他、肝臓の病気があるとカビの臭い、肺炎だと腐った肉の臭いなどと言われることも少なくありません。そのため、生前に死臭を感じた場合は、病気が原因となった臭いである可能性が高いでしょう。
死臭の消し方と手順7個
1. 遺品を整理する
死臭の消臭処理にかかる前に、遺品の整理をする必要があります。遺品を残したままだと、死臭が付着したままになるため、いくら部屋の消臭を行っても意味がありません。
ただし、遺品は法的に故人の財産とされているので、親族や相続人のみが整理可能です。法律に則って、丁寧に仕分けして整理するように心がけましょう。
遺族がいない場合は、弁護士のような法律に詳しいプロに依頼して、違法にならないように作業する必要があります。いずれにせよ、死臭を消臭する作業に入る前には、必ず遺品整理を行うことを忘れないようにしましょう。
2. 近隣の方に配慮する
近隣の方に孤独死の情報がまだ知れ渡っていない段階であれば、人が動き出す時間帯を避けて迷惑にならないように作業をする必要があります。
例えば、午前10時以降から午後3時頃までが適当でしょう。すでに、近隣から死臭についてクレームが入っている場合は、作業をする旨を事前に伝える方が賢明です。
消臭対策の内容や作業時間など、細かな情報を連絡するようにしましょう。また、作業中は臭いが漏れる可能性もあるため、窓を閉めるように伝えておくと親切です。
3. 供養対策を行う
近隣の人は、近所で孤独死があったと分かると不安に感じるケースも少なくありません。そのため、死臭の消臭作業と合わせて、供養対策を行うことも大切です。
お坊さんに依頼して、読経してもらい、丁寧に供養をしましょう。また、近隣の家庭にも、しっかりと供養する旨を伝えておくと安心です。
死臭によってかけてしまった迷惑は取り返しのつかないことですが、供養するだけでも、近隣とのトラブルを避けられるでしょう。
4. 殺虫をする
死臭が発生していると、虫が湧いている可能性が非常に高いでしょう。遺体にはウジが湧きやすく、ウジが育つとハエになります。
そのため、まずは大量に発生して飛び回るハエを退治する作業が欠かせません。ハエが飛び回っている状態では、消臭作業に集中できないので、必ず行うようにしましょう。
殺虫作業に使う殺虫剤は、市販のもので問題ありません。大量の殺虫剤を撒くことになるため、吸い込まないように防護マスク等を着用することも大切です。
5. 殺菌消毒を行う
殺虫対策が終わったら、感染症などの予防をするために消毒を行います。一般的には、塩化ベンザルコニウムや安定化二酸化塩素などを使って消毒するケースが多いでしょう。
いずれも、薬局で購入できるので、使い方をきちんと確認してから噴霧器を使って散布します。殺虫剤同様に、殺菌消毒をする薬品も人体に影響を与える可能性が高いので、防護マスクを着用することが大切です。
6. 汚染物を撤去する
室内に、血液や体液が残っていたら、付着していたものを全て撤去します。特に、布団やベッドに多く付着しているので、消臭前に確認をするようにしましょう。
汚染物にも臭いが付着しているため、外に漏れないようにビニール袋等に入れて口を縛っておく必要があります。合わせて、床や壁に付着した汚染物も撤去しなければなりません。
単純に拭いただけでは死臭が消えないため、クロスなどは剥ぎ取って捨てることが大切です。場合によっては、リフォームをする必要が出てくるケースもあるでしょう。
7. 拭き取り清掃する
汚染物の撤去や殺菌消毒などで、かなりの消臭が完了しています。しかし、最後の仕上げとして、拭き取り清掃も欠かせません。
塩素系の消毒殺菌剤を活用して、隅々まで綺麗に掃除していきます。臭いがしなくなったら、一旦窓を開放して、空気の入れ替えをしましょう。
その後、数日間経ってから、再度現場を訪れ、残存臭やハエの発生がないかをチェックします。臭いが残っていたら、再度作業を繰り返して、徹底的に清掃をしていきましょう。ハエが残る場合は、根気よく1ヶ月程度、殺虫剤を撒く必要があります。
特殊清掃の死臭の対処法
特殊清掃に死臭の対処を依頼した場合も、基本的には前述した作業内容と変わりません。しかし、素人にはできない作業の一つとして、オゾン脱臭機が挙げられます。
オゾン脱臭機とは、酸化作用を活用した消臭システムで、臭気成分を分解・除去した上で臭いの元を根元から対処します。そのため、強烈な死臭に効果がある消臭方法です。
自分で作業をすると、殺虫消毒から消臭殺菌剤を巻くまで、様々な工程を踏まなければなりません。また、手作業で、死臭を残さずに消すのは困難な作業です。
しかし、プロの特殊清掃業者に依頼すれば、オゾン脱臭機で隅々まで消臭してくれるので安心です。徹底的に死臭を除去するのであれば、知識を豊富に持ったプロの特殊清掃業者に依頼することをおすすめします。
死臭はファブリーズで消える?
ファブリーズはP&Gの商品ですが、公式サイトには用途として「家庭にある布製品を消臭・除菌し、爽やかに保っていただくための製品」と書かれてあります。
そのため、死臭は用途外になる可能性があります。また、家庭の通常の臭いとは異なるため、効果として足りない可能性もあります。
死臭を消したい場合は、強力な死臭用の消臭剤や上記で紹介したような方法で、徹底的に行うのがいいでしょう。
死臭のリスク
死臭は、単純に臭いがきついだけの問題ではありません。死臭の元となる遺体からは、体液や血液が染み出しています。
拭けばいいように感じる人もいますが、体液や血液には細菌が多数含まれているため、素人が触ると大変危険です。万が一、最近が粘膜等に付着してしまうと、感染症にかかる可能性があるでしょう。
また、実際に孤独死をした現場で長時間作業する必要があるため、精神的な負担もかかります。しっかりと防護しなければ、自分自身に死臭が染み付いてしまい、日常生活に影響が出るリスクも考えられます。
このように、死臭のリスクは思わぬところまで発展します。加えて、自分で死臭の消臭作業をすると、意外と費用がかかる点もリスクのひとつです。
プロに頼むよりはリーズナブルとはいえ、感染症や臭い、精神面のリスクも踏まえると、割高になるため、十分検討した上で作業する必要があります。
プロの特殊清掃がおすすめの理由
前述の通り、プロの特殊清掃では、オゾン脱臭機を使って隅々まで消臭ができます。また、普段から死臭対策に携わっており、業者によっては独自の消臭技術を持っているケースも多いでしょう。
死臭と一括りにしても、部屋の状況や床の質感、気温、湿度などによって対策も異なります。素人では判断できないポイントも、プロであれば細かく調整しながら消臭作業が可能です。
また、業者によっては、遺品整理から供養まで対応しているケースもあり、死臭の消臭に関する一連の流れを任せられる点も魅力といえるでしょう。
確かに、自分で作業をするよりは料金がかかりますが、プロの消臭作業の方が確実に消臭でき、自分の手間を省くことができるため、万が一の場合は活用する方が賢明です。
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まとめ
死臭を消すのは非常に大変な作業です。手順を踏んで行ったとしても、素人では消しきれない臭いといえるでしょう。
また、単純に臭いが強烈なだけではなく、健康面や精神面にも影響する可能性があります。こうしたリスクを考えると、無理をせずはじめからプロに頼んだ方が安心です。